安里川へ行こう！

白濁する川を見ながら、小さな橋のうえでタックルを準備したんだけど、その橋のうえで犬の散歩をしていたおっちゃんが、川を眺めていた。

そのおっちゃんが一言。
「普段の安里川はこんなに濁ってないぞ。異常だ。」

自分は犬が嫌いなんだけど、タックルを準備しながらおっちゃんと話をした。
よくこの川に釣りをしていることを告げると、おっちゃんの口から驚くべき発言があった。

「俺よ、この川ってテラピアとボラしかいないと思っていたんだけど、新聞か何かで、安里川の下流から上流まで釣り歩いて、いろんな魚を釣ったっていう記事を見たわけよ。俺の近所の川にも、いろんな魚がいるんだなって驚いたよ。」

本当に驚いたのは、自分のほう。

「それ、たぶん自分が雑誌”おきなわ釣王国”に投稿した記事ですよ！ガーラの子供がどこまであがるか調査してたやつでしょ？この辺とマックスバリューと、Ｎ－ＣＩＳ（専門学校）の前でガーラ釣った写真載ってた。」

「そうそう！釣王国！マックスバリュー前で撮ったの写真で覚えてるよ！君が書いたのか！」

このおっちゃん行き着けの食堂に、おきなわ釣王国のバックナンバーがあって、あまり釣りはしないけど、近所の安里川のことが書かれていたから、見入ったんだって。
この記事を読んで、安里川を見る目が変わったってさ。


この記事を書いて本当によかったと思った瞬間だった。とっても嬉しい。



その後、このおっちゃんと話をしていたら、買い物帰りのおばちゃんもやってきた。
「こんなに濁って、大変じゃない！」という話から、川に住んでいる魚の話になった。

そして、このおばちゃんも実は只者ではなかった。
おばちゃん「知ってるね？この川にフナもいっぱいいるよ。」

ｓａｃｏｍ「ええ！？見て解るんですか？！」

おばちゃん「解るよ。私の田舎は久米島で、昔はフナいっぱいいたからね。テラピアと違って光るし、ボラみたいに細くないさ～。」

自分もこの川でよくフナをヒットさせる。
でも、水面からフナを探すのは簡単な話じゃない。
他の魚と見分けがつきにくいから。
このおばちゃんは凄い。



その後、三人で１０分くらい川の話や魚の話で盛り上がった。
本当に楽しいひと時。



ほとんどの通行人は無視して歩いていくけど、アングラーには川の魅力を伝える力があると思った。
これからも川の魅力を伝えるために、安里川で釣りをしたい。
恥ずかしいことなんてない。既に川のことを理解してくれる人たちが、いっぱいいるんだからさ。